クリエイティブへの刺激で脳への負荷満点の森美術館「へザウィック・スタジオ展:共感する建築」
これは人を選ぶ展覧会だけど、バッチリくる人には最高なので、ちょっとでも気になったら、ぜひ行ってください
森美の内覧会に行かせていただくようになって、もう何年すぎているのかはわかりませんが、内覧会に行く以上、できるだけメディアで紹介しようとは思っているわけです。
でも、美術展とか展覧会というのは、基本的には極めて個人的な趣味趣向で行くものでもあるので、これはメディアではむずかしいかなというのもあるわけです。
といっても、私はそこまでたくさんのメディアで書いているわけでもないし、制限がほぼないところもあります。でも、メディアで書く以上、どっかで読者として一般層というのは考えるわけです。そして、ということも普段あれば書かないことなわけです。
で、そんなことを書く気持ちになってしまったのが、2023年の6月4日まで開催されている、森美術館の「へザウィック・スタジオ展:共感する建築」です。

へザウィック・スタジオといえば、グーグル新社屋、ロンドン五輪の聖火台、上海万博の英国パビリオンと綺羅星のような実績があります。
同時にロンドンバスのリニューアルがあり、車のプロトタイプデザインとかいろいろそれはそれは美しいプロダクトもあるわけです。
で、そんなイメージを持って、実際の展覧会にいくと、いい意味でいきなりびっくりしたわけです。
以下の写真はTHETAによるものですが、要するに会場に入ると左に車とバスがあって、正面には小さいものが並んでいる台があるということです。
つまり、この展覧会を設計した人がお客に最初に見せたかったのは、車とバスではなくて、まずはこの台の上に並んでいる小さいものたちであったということなんですよね。

この小さいものがなんであるかは、以下で触れられています。
創設者トーマス・へザウィック(1970年、英国生まれ)は、子どもの頃、職人が作った小さなものに宿る魂に心を躍らせていたといいます。建築という大きな建物や空間にも、その魂を込めることはできるのか。この問いがヘザウィック・スタジオのデザインの原点となりました。
つまり、その台の上に並んでいたのは、材料のそのもの性質をどうすれば生かすことができるだろうかというマテリアルへのトライ&エラーの歴史でした。



これはすごい。へザウィック・スタジオのあれらの建築がここから始まっていたんだという、原始的であり高揚感のある感動が、そこにはありました。
そして、そこから展示はスケッチに展開していきます。
最初にマテリアルを見せられているからこそ、お客は見る目が鍛えられた状態になり、その目でスケッチを見ることができるわけです。
そして、それぞれの各建築の実際のプラン、モック、動画、現実の姿、現実のパーツ類に展開していくわけです。なので、ここにも妙な、されどまっすぐな説得力があります。




さらに建築が終わると、3Dプリンターがなければ実現できないようなプラインと現物の展示になっていきます。

これもまた3Dプリンターという既存の材料とはマテリアルとして振る舞いがまったく違うものを使っているので、もう1回マテリアルからリスタートしているわけです。
そして、その仕上げとして、まわる椅子が登場します。

これは、椅子ですから、建築とは違い、現物を展示できます。

そして、それを見た上で、展示の最後はその椅子に実際に座ることができるようになっているのです。


さらに、この椅子を体験できる展示スペースには、スクリーンがあり、そこには以下のTEDなどの映像が流れています。






