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Abstract

を好いているかを感じられるだろう。日本のことを大好きな外国人はアジア諸国にたくさんいるが、戦争責任や戦後補償の話も同じくらい議論が聞こえるなか、台湾ほど日本への憧憬を強く感じさせてくれる場所はないような気がする。</p><p id="2eb7">日本人旅行者や居住者が多いということもあるのだろうが、とにかく、台北の街では、日本食レストランが多くて、台湾料理や中華料理レストランを探す方が難しいんじゃないかと思うくらいなのだ(台湾料理のミニ食堂はけっこうたくさんある)。</p><p id="a7b2">日本と台湾の関係作りに貢献したのは李登輝元総統だといわれている。台湾の人が日本を好いてくれるのは、李登輝元大総統の「日本びいき」が未だに影響を及ぼしているのかもしれない。</p><p id="b03d">しかし、それでもなお、現時点で日本と台湾との間に「国交」はない。</p><p id="b88b">ここは、若いころの私には理解できなかった点なので、あらためて説明させてほしい。</p><p id="0e41">なぜ日本と台湾との間に国交がないかというと、台湾は国際的には「国」として認めていない「国家」が多く、日本もその一つだからだ。「台湾は中華人民共和国の一部だ」と中国は主張している。その中国の主張を真っ向から否定して「台湾は独立した国家である」といいきれる国はごく少数なのである。台湾を国家として認められないから「国交」も成立しないというわけ。</p><p id="e416">台湾は独立したがっているのか。</p><p id="5614">むかし、友人だった台湾人留学生に聞いたことがある。彼女は、台湾の中でも独立派と中国統一派がいて、なかなか複雑なのだと言っていた。1990年代、ちょうどアンチ民族浄化、民族自決の雰囲気が高まっていた時代である。ソ連が崩壊し、2000年初頭にはインドネシアから東チモールが独立した。そんな中にあって、私の考え方も民族自決に傾いており、台湾

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人が独立したいなら独立すべきだと、そのときはそう考えていた。若さゆえのあさはかな思考である。</p><p id="aa66">ちなみに、私が住んでいるカナダ、ケベック州にも独立派がいる。カナダからケベック州を独立させたがっているのだ。個人的には、いや、それはどうかなと思うけど。そもそも、カナダにおけるケベック州は「一国両制」と似た雰囲気があって、ケベック州独自の自治が行われている。だから、税制も移民システムもさらに煩雑になる。</p><p id="4e14">台湾は独立すべきか、そうでないか。</p><p id="a2b7">そういう議論をするつもりはないが、少なくとも、今香港で起こっていることが台湾で起こってはいけないと考えている。また話がズレるが、今回日本に一時帰国してショックだったことの一つに、日本人の友人が香港で起こっているデモのことを「暴動」と表現したことである。日本ではそんな風に報道がなされているのだろうか。デモと暴動はまったく違う。香港の友人や香港在住の日本人の方のSNSから私が知りうる範囲でいうと、「暴動」とみられる行為を取り始めたのは香港警察である。</p><p id="af27">私は香港に10年近く住んでいたが、香港警察は世界の中でも優秀な部類の警察で、信頼していたし合理的だと思っていた。それが、あっという間に覆された。オーソリティの暴徒化である。</p><p id="db46">その模様を見て、台湾の将来を重ね合わせずにいられた台湾人がいただろうか。それでも中国との統一を望む声もあるのかもしれない。でも、民主主義を守ろうとして立ち上がった非武装の市民を、オーソリティが武力で押し込めたり、不条理に拘束して拷問したり、自殺に見せかけて殺したり、というようなことが台湾で起こってはいけないと強く思う。</p><p id="e2a5">20年ぶりに訪れた平和な台湾を眺めながら、ずっとそんなことを考えていた。</p></article></body>

20年ぶりの台湾訪問で考えたこと

ただのブログ

台湾のレストラン、かなりの確率で日本語のメニューがある

自分でもタイトルを書いていてちょっとぞっとしないでもないのだけれど、今回2020年に訪れた台湾は、なんと20年ぶりの再訪問ということになる。

私が初めて台湾を訪れたのは、大学生の頃のこと。台湾からの留学生と仲良くなった私は、台北にある彼女の家に招待された。日本語をかなり上手に操る彼女は、言語留学ではなく大学の本科生として日本美術を専攻しようとしていた。ラッキーとばかりに、彼女の家に遊びに行った私は、中国語を話せるわけもなく、何から何まで彼女にお世話になった状態で台北の街を観光した。

彼女のことは今でもよく覚えているのだけれど、そのあと大学をドロップアウトした私は、彼女を含めた大学時代の友人との関係が薄くなり、ついには連絡もつかなくなってしまっている。

その数年後に、結婚した夫と台湾を再訪問するのだが、そこから数えてほぼ20年ぶりの今年、また台湾を訪れることになったわけ。

台湾が好きか、嫌いかと問われれば、好きだと思う。台湾に行ったことのある人で「台湾はあまり好きじゃない」という日本人は、あまりいないんじゃないかな。

日本食や日本語があふれる台北の街を闊歩すれば、台湾の人がどんなに日本のことを好いているかを感じられるだろう。日本のことを大好きな外国人はアジア諸国にたくさんいるが、戦争責任や戦後補償の話も同じくらい議論が聞こえるなか、台湾ほど日本への憧憬を強く感じさせてくれる場所はないような気がする。

日本人旅行者や居住者が多いということもあるのだろうが、とにかく、台北の街では、日本食レストランが多くて、台湾料理や中華料理レストランを探す方が難しいんじゃないかと思うくらいなのだ(台湾料理のミニ食堂はけっこうたくさんある)。

日本と台湾の関係作りに貢献したのは李登輝元総統だといわれている。台湾の人が日本を好いてくれるのは、李登輝元大総統の「日本びいき」が未だに影響を及ぼしているのかもしれない。

しかし、それでもなお、現時点で日本と台湾との間に「国交」はない。

ここは、若いころの私には理解できなかった点なので、あらためて説明させてほしい。

なぜ日本と台湾との間に国交がないかというと、台湾は国際的には「国」として認めていない「国家」が多く、日本もその一つだからだ。「台湾は中華人民共和国の一部だ」と中国は主張している。その中国の主張を真っ向から否定して「台湾は独立した国家である」といいきれる国はごく少数なのである。台湾を国家として認められないから「国交」も成立しないというわけ。

台湾は独立したがっているのか。

むかし、友人だった台湾人留学生に聞いたことがある。彼女は、台湾の中でも独立派と中国統一派がいて、なかなか複雑なのだと言っていた。1990年代、ちょうどアンチ民族浄化、民族自決の雰囲気が高まっていた時代である。ソ連が崩壊し、2000年初頭にはインドネシアから東チモールが独立した。そんな中にあって、私の考え方も民族自決に傾いており、台湾人が独立したいなら独立すべきだと、そのときはそう考えていた。若さゆえのあさはかな思考である。

ちなみに、私が住んでいるカナダ、ケベック州にも独立派がいる。カナダからケベック州を独立させたがっているのだ。個人的には、いや、それはどうかなと思うけど。そもそも、カナダにおけるケベック州は「一国両制」と似た雰囲気があって、ケベック州独自の自治が行われている。だから、税制も移民システムもさらに煩雑になる。

台湾は独立すべきか、そうでないか。

そういう議論をするつもりはないが、少なくとも、今香港で起こっていることが台湾で起こってはいけないと考えている。また話がズレるが、今回日本に一時帰国してショックだったことの一つに、日本人の友人が香港で起こっているデモのことを「暴動」と表現したことである。日本ではそんな風に報道がなされているのだろうか。デモと暴動はまったく違う。香港の友人や香港在住の日本人の方のSNSから私が知りうる範囲でいうと、「暴動」とみられる行為を取り始めたのは香港警察である。

私は香港に10年近く住んでいたが、香港警察は世界の中でも優秀な部類の警察で、信頼していたし合理的だと思っていた。それが、あっという間に覆された。オーソリティの暴徒化である。

その模様を見て、台湾の将来を重ね合わせずにいられた台湾人がいただろうか。それでも中国との統一を望む声もあるのかもしれない。でも、民主主義を守ろうとして立ち上がった非武装の市民を、オーソリティが武力で押し込めたり、不条理に拘束して拷問したり、自殺に見せかけて殺したり、というようなことが台湾で起こってはいけないと強く思う。

20年ぶりに訪れた平和な台湾を眺めながら、ずっとそんなことを考えていた。

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